ぼくは愛を解剖しようと思う。

ユーモアの分析はカエルの解剖のようなものだ。興味を持つ人はほとんどいないし、カエルはそのために死ぬ。
                  E.B.ホワイト(米・小説家)


先日、ハンサムで社会的地位を確立し、才色兼備、万人の理想の独身男性、つまりバチェラーであるぼく(逮捕歴あり)のツイッターのタイムラインに、こんなツイートが流れてきた。




え、エモーーい。し、だよね、ってなった。

と、同時に、@UiMS_氏は、どんな背景があって「結婚について正しく検討」する必要があったのだろう、と思ったし、(本人も言及しているが)そんなにプラトニックな感情一つに帰結するもんかね、とも思った。



例の刑務所の先輩のNさんは、「結婚しない」主義の持ち主だ。

彼は言う。

「結婚は、経済、親戚付き合い、セックス、老後、扶養家族、...etcの全部オールインワンパッケージの契約になっていて、盛り過ぎ。」

「双方にとってメリットがあるかないか、じっくり吟味することができないまま、みんな契約していくのが理解できない。」

「契約内容をオプションでアレンジメントできるんであれば、考えなくもない。」


ぼくは、そんな彼を見て、合理的やなあ。普段からプッシュしたりコミットしたりローンチしたりワッショーイしとる人は違うなあ。と思い、刑務官に「用便願います」とか言ったりしていた。




さて、ぼくたちは、「人間のとある単一の行動には、単一の理由がある」と、考えがちだ。

「それって結局お金が欲しいんでしょ」とか「体目当てなんでしょ」「有名になりたいだけなんでしょ」とか、言う人がいる。

彼らにとって、周囲の人々は、ロボットのようにプログラミングされた1個の合理的経済人みたいなものに見えているのだろう。もっとも、彼らは彼らで合理的だ。そう考えると、周囲の世界に使用する思考コストをグッと節約することができる。

司法も、そういう原則に基づいている側面がままある。

このホットエントリーを読んでる人にはみんな犯罪歴があるので、わかってくれると思うのだけれど、刑法が適用されるような事案を起こして警察に事情聴取をされると、その日の行動とその理由について、めちゃくちゃ詳しく聞かれる

「何時に何をしにどこに行って」「〇〇だからこれを飲んで」「△△だから住居に侵入した」

当然、覚えていないこともあるし、なんとなくでしたこともあるし、場合によっては捏造しなければ答えられない。

しかし取調室では、理由のある行動しかしない、ということが当たり前のように前提になっているのだ。




せやかて、工藤。とぼくは思う。というかずっと思ってきた。

ぼくは、人間の行動一つ一つに理由なんてないのだ、と思っているし、あったとしても、正確に理解していることの方が稀で、本当はもっと無意識的で、もっと複合的で、自然言語だけでは理解不能なものだ、と思っている。

その行動が愛と呼ばれるものに絡むのであれば、なおのことだ。

それは大学生の時に、この本を読んでようやく確信した。

単純な脳、複雑な「私」 (ブルーバックス)

単純な脳、複雑な「私」 | 緑の灯火

「単純な脳、複雑な『私』」感想 - 備忘録 a record of inner life



僕たちはおそらく、もっと複雑で、もっと非自明な存在だ。

そうでなければ、恋人の頭を優しく撫でた同じ手で、いやらしく秘部をかき回したりしない。愛を囁きキスをした同じ唇で、相手を激しく罵ったり、しない。





いつからぼくは、愛の解剖を始めたんだろう、と思ったとき、以下のような高校の時の思い出が、フラッシュバックした。


・クラスの気になるあの子が風邪で休んだ。

・ぼくはその子の顔が見れず、話ができないのであれば、今日はつまらない日だ。と思った。

・家に帰って、ふと思う。愛が相手を思いやることを含むのであれば、まず彼女の体調の心配が先にあるべきじゃないのか。

・ぼくが持っている感情は、本当に愛なんだろうか?


今思うと、思春期のぼくはなんて健気で思慮深く、優しいのだろう。


その子に似てる芸能人は適当な人が見当たらないので、代わりにすっぴんの佐々木希嬢を置いておきます。*1

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そしてその答えらしきものを当時のぼくは見つけていた。

ヤングアダルト向けのサブカルチャー「教養書」シリーズ「よりみちパン!セ」のこの本だった。

男子のための恋愛検定 (よりみちパン!セ)

「『恋』は犯罪の温床」であるとか「『恋』もほとんどはパッケージ買いだ」とか「セックスしたら死ぬかもしれない」とか太字でインパクトのある言葉を並べています。
非常にわかりやすい言葉なので中学生読者にも届きやすいのではないかと思います。
まずはじめに「恋愛はつい最近ブームになっただけ」と恋愛の価値を相対化してみせ多様な恋愛観を提示しています。
しかし「恋愛資源」という概念を持ってきて、具体的にどうしたらもてるかというレクチャーもしており、実用書の役割も果たそうとしています。
「男子のための恋愛検定」(伏見憲明) - 児童書読書日記


この中に「恋の成分表」という概念が出てくる。

曰く、この感情は性欲なのか、友情なのか、真実の愛とは?そんな問いには意味がない。

恋愛感情は、性欲、独占欲、嫉妬、友情、尊敬、師弟愛、その他諸々、いろんな感情の複合物(混ぜ物)である、と。

自分が誰かを愛おしく思ってしまっている、そのことだけが本当のことで、その正確な配分比は、人によって違うし、違って全然いい。



それが当時の若きウェルテル(後のバチェラー)には、目から鱗だった。



当時は知らなかったけど、この本を書かれたのは、伏見憲明さんという、自らゲイをカムアウトしてLGBT等について書かれることが多い作家さんで、そういう意味でダイバーシティ的というか、オープンな人間観に基づいた主張だったんだな、と思った。

で、先の話を「感情複合仮説」とか「動機複合仮説」とかいう自論のひとつだとするなら、その萌芽はここだったんだな、って気づいたわけです。


あとは、この本のAmazonレビューにめっちゃエモいのがあって、それを貼っておきたい。


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かわいい!









さて、ぼくが日頃から行っている、自らの内省と科学的なエビデンスや推察に基づく、本格的な愛の解剖結果についてここで文書で報告するには、あまりにぼくの人生には余白が少ない。



















まあ、なんでこんなことを年甲斐もなく思っているのかというと、最近久しぶりに彼女ができまして。

可愛くて、友達想いで、優しくて頑張り屋さんで、夢を持ってて、でもちょっとファッションには疎くて。

まあ、そこもまた可愛いんですけど。フヒヒ。


そんな彼女のことを一人の時間に想うとき、最近、前に比べると、だいぶ性欲が減って、父性とか、友情の比率が増えてるなぁと思ったり、思わなかったり。

この配分比がもし逆転するようなら、結婚とかするのかなー、とか思ったり、思わなかったり・・・。





























ちなみに彼女の名前、宮森あおいって言うんですけど。

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そんな彼女の活躍がみれるP.A.Worksの大人気アニメシリーズ「shirobako」の映画化が決定しました。

j-mag.org


ちなみにAmazonプライム会員なら、会員特典でTVシリーズ全話視聴可能となっています。


SHIROBAKO Amazonビデオ
https://www.amazon.co.jp/dp/B06Y5R6WFK/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_dLjyBbC2ZJ3GW




みんな、shirobako新作、絶対劇場に観に行こうな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!








SHIROBAKO Blu-ray プレミアムBOX vol.1(初回仕様版)

*1:ちなみにこの子は、大学の時に彼氏と半同棲して大学を中退し主婦になった、とこののち人づてに聞きました。